[アニメーター]Creative Spotlight: Episode #67 堀剛史インタビュー
「-ナルト- 疾風伝」、「REDLINE」、「サマーウォーズ」、「メトロポリス」、「サムライチャンプルー」
「ガングレイヴ」、「WXIII 機動警察パトレイバー」など、彼が参加した作品を一度も観た事のない人を探すのは難しいといえるでしょう。
"Creative Spotlight"で取り上げる初のアニメーターとして我々はアニメの世界を皆さんと共有できるスケールの大きな人物を探していました。
あなたがアニメファンであるならば堀さんに感謝の気持ち感じるという人もいるでしょう、それではインタビューをお楽しみください。
Q,いつごろからアニメーションに興味を持ち始めましたか? またアニメ業界を選択した理由は何だったんでしょうか?
堀:大学生の頃に見た「新世紀エヴァンゲリオン」がきっかけでした。
特に吉成曜さんのお仕事は素晴らしく感動を覚えましたし、それが私の心をアニメーションへと引き付けたのです。
この魅力はCGのアニメーションとは異なりますね。
Q,アニメーターという職業を知らない人たちのために原画マンと動画マンの違いを教えてください
堀:例えば椅子から立ち上がる人を描くとしましょう。
原画マンは椅子に座っている状態の人、足に重心を移した人、立っている姿勢の人を描きます。
そして最後に原画マンは動きのタイミングを動画マンに指示します。
動画マンは原画マンの描いた絵をクリーンナップし、動きの指示に合わせた絵を原画と原画の間に描き加えるんです。
最終的に画面に映るのは動画マンの線なので動画は本当に重要な作業と言えるでしょう。
Q,「獣兵衛忍風帖」、「-ナルト- 疾風伝」、「サムライチャンプルー」といったアニメの歴史の一部とも言えるアニメに参加されてきましたね。
こういった作品に参加される中でこれまでにプレッシャー感じたり、自分の仕事に批判的になったりしますか?
堀:まず最初に「獣兵衛忍風帖」はTVシリーズに参加しただけなので映画版は関与してないですね。
質問についてですが、プレッシャーは常に感じています。ですが良い仕事をする上でプレッシャーは必要だとも考えています。
アニメーターの心情というのは場合によってはフィルムの邪魔になったりするので、最高の仕事をするためにはプレッシャーを感じるだけでなく楽しむ事が大切です。

Q,「サマーウォーズ」から「REDLINE」までマッドハウスの色々なプロジェクトに参加されてきましたね。
そのような最先端のスタジオで働くのはどういった感じなのでしょう?
堀:そうですねぇ、これは私の意見ですがスタジオというより自分と同僚が一緒に働ける事の方が重要だと思います。
日本のアニメーターはフリーの方がほとんどなので、私を含めてアニメーターはスタジオからスタジオへと移るのが珍しくありません。
もちろん有名なスタジオは優秀なアニメーターを招き入れたりもしますが、これはマッドハウスとて例外ではないですね。
Q,キャリアを通じて参加してみたかった他のアニメ作品はありましたか? またそのチャンスは得られないのですか?
堀:参加する機会が無かったならばそれは仕方が無いという事です。
たとえつまらない作業であったとしても私が取るべき道は常に自分のベストを尽くすしかありません。
Q,映画のプロダクションバリューはテレビシリーズよりかなり高いと言われています。
例えば劇場版ナルトとTVシリーズでは高いプロダクションバリューをどのように仕事のディテールとして入れるのでしょうか?
堀:私は映画とテレビのようにフィルムのクオリティを区別していません。
どんなアニメーターであってもあらゆるプロジェクトにおいて自分の最高のパフォーマンスをしたいと思っているはずです。
しかし、映画の監督は我々に今までとは違ったよりハイクオリティの絵を要求するので、結果的に品質に違いが生じるのではないでしょうか。
Q,今まで参加されたプロジェクトの中で最も思い出深い作品は何でしょう? 堀さんのお気に入りなどもありましたら教えてください
堀:「河童のクゥと夏休み」、原恵一監督は素晴らしいですね
あとは「おまえうまそうだな」です。もしこれらの作品が好きでしたら私のTwitterアカウントにコメントをください。
Q,堀さんが若い頃に参加された「千年女優」や「パトレイバー」のような作品と「REDLINE」のような今の作品を比較するとアニメーションが進歩した主なポイントはどこでしょう?
堀:絵を描く事とアニメーションには終わりは無いと思いました。
新しいアニメーションの技術が生まれても、皆が模倣し、それを洗練していく
この高度なテクニックを永久に繰り返し続けるでしょう。
Q,これほどまでに異なるスタイルの作品に参加しているのはなぜでしょう?
「イナズマイレブン」はライトなトーン、「獣兵衛忍風帖」はシリアスでダークな作品です。
何でこんなにも異なるスタイルからスタイルへとシフトするんでしょうか?
堀:異なるスタイルを経験するのは楽しい事だと思いませんか?
これは違う役を演じる俳優とよく似ています。アニメーターは悪人や、ロボット、ミサイル、自然現象、誰も目にしたことの無いものになる事が出来るんです。
シンプルに言ってしまうと「絵を描く楽しみ」でしょう。そのためアニメーターはダークサイドに落ちて楽しみながら絵を描ける様にならないといけません。
Q,最後にアニメーション業界に入りたい人達に向けてアドバイスをお願いします。
堀:日本でのアニメーターという職業はとてもハードです。
常に貧乏ですし、萌えアニメとやらで女性からの評判もあんまり良くはありません(笑)
アニメーターは喫煙に似ていて、自分は吸ってるけど他人には決して勧められないというような職業ですね。
それでも日本でアニメーターになりたいのであればまずは日本語を勉強しなくてはいけません。
そしてとにかく可能な限り多くのスケッチを描きましょう。あらゆる場面で習うより慣れろです。
あといつか海外でアニメーターとして働きたいので、アメリカで仕事をする方法を教えてください。
http://japancinema.net/2011/11/01/creative-spotlight-episode-67-takafumi-hori/
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| 海外掲示板 | 22:30 | comments:9 | trackbacks:0 | TOP↑
エヴァ世代も主力として活躍している時代なんだなあ。時がたつのは早いわ。
| 名無しさん | 2012/01/05 06:41 | URL |