アニメスタイルイベント「四畳半神話大系を語る会」
2010年10月26日
第57回アニメスタイル「四畳半神話大系を語る会」
出演:
湯浅政明(監督)
伊東伸高(キャラクターデザイン、総作画監督、原画)
横山彰利(絵コンテ、演出、原画)
三原三千夫(絵コンテ、演出、作画監督、原画)
辻田邦夫(色彩設計)
夏目慎吾(原画、未放映エピソード「地面潜航挺、女湯へ 閨房調査団桃色探索」の絵コンテ、演出、原画)
CHOI EUNYOUNG(絵コンテ、演出、原画)
濱田高行(作画監督協力、原画)
小黒祐一郎(司会)






■実写とか
・OPにも出てくる実写もちぐまはマッドハウスのスタッフが5~6個作った中で一番近かったものを採用した
・四畳半の部屋を借りてもらったのでいつもの湯浅作品より実写がふんだんに使われている
監督「アンティーク的な価値があるのか安い四畳半のアパートがなかなか見つからなくて江古田にあるアパートを借りた、10話を作ってるあたりで部屋を解約しちゃったら撮れてないシーンがあって無理やり繋げたり」
・OPは4方向から撮った写真を3Dに貼って動かしている
・窓から電車が見えるユースホステルに何週間か泊まっていたので主人公の部屋からも電車が見えるようにした、電車が通って部屋が揺れる感じが面白い
■放送を振り返って
監督「今までと比べたら反響が大きかったので良かった」
■1話から12話までを観ながら監督が解説
□1話
・怪しい粉を混ぜる猫ラーメンのモデルはマッドハウスの近くにあった荻窪のつけ麺屋、のれんのデザインも湯浅監督
・テニスの原画は濱田さん、量をたくさん描ける人がいると進行がしやすい
・木とかテニスのネットとかは柄でオシャレにした、監督「ノイタミナだからオシャレにしないと」
・最初の脚本では四畳半から始まり最後に花火という構成だったがテレビ局からの「つかみが大切」という言葉を受けて最初に花火を持ってきた、カイバの1話に話がないと言われたりしたのでその反省も踏まえて
・台詞が早口なので1回目の収録は予定の半分しか録れなかった、早巻きは使ってないが音響でちょっとだけ調整している
・焼き肉屋さんも四条河原にあるお店がモデルになっている
・当初バードマンサークルの伏線は入れるつもりじゃなかった、シナリオが押していたのでその場で結構変更している(1話のコンテを書いているときにシナリオは3話位まで完成)
・古本市のバイト中、明石さんの一言で氷が人型になるのは原画の宮沢さんがそういう風に描いていたから、カステラを食べるシーンも宮沢さん
□2話
・出来上がった印象は2話はI.Gチック、3話はジブリチックって感じ
・映画を「アレキサンダー」にしたのはパッと見て内容が分かるから、城ヶ崎のナルシストさも分かりやすいし
(当初は新選組とかの作品にする予定でシナリオまで用意したけど時間がなかった)
□3話
・分量的には3話が一番多かった
・京都なので立地的には琵琶湖周回とかにしようとも思ったが自分が分かる所にしたかった
・整理軍のメンバーがゴリラとか細かいツッコミは置いといて3話はオリジナル回だけど綺麗にオチた
□4話
・闇鍋回
・キャラクターの字はスタッフがそれぞれ担当している(たしか主人公は三原さん、小津は横山さんとか)
・ジャンケン対決の後、師匠がキセルをふかすシーンでは煙が文字になっている「アホ-ボケ」(現場に対する怒りらしい)
□5話
・演出:高橋知也さん、絵コンテ:浜崎博嗣さん、当初はかなり宗教的だったので若干カットした、後半の胡散臭いセミナーは宮沢さん
・こういった活動をされている方々を悪く描かないようにするのは難しい、監督も悪く描くのではなく意思の疎通がしたい
・この辺からスケジュールがキツくなってきたので監督のテイクでコンテ作業へ入り、上田さんにセリフ直しをしてもらう状態になった
・坂本さんだけオーディション無しで選んだのはサンプルテープを聞いた時にピッタリだと思ったから、性格も明石さんに似てる
□6話
・エロい話と言えば夏目さん
・脳内会議にノイズマンっぽいキャラが居るのも夏目さんが描いたから、あとで観るとこれはどうかなっていう所がたくさんあった
馬が交尾している所も最初はもっと手前だったので後ろにズラした
□7話
・三原さんがホビー好きと聞いたのでこの回をお願いした
・もちぐまんの歌は「日曜日よりの使者」をイメージして作った、「改心しろ!改心しろ!」は監督もお気に入り
・ラブドールとの間に生まれた子供もよく見ると人形になっていたり、人形だけ歳を取らないのは好きな所
□8話
・組み合わせるのが面白くなってきたのでいろんなモノがリンクしている風にした
・「文通相手の自宅を尋ねるなんて言語道断、最悪のルール違反ではないか」→「ルールとは破るものである」上田さんはこの繋ぎがうまい、コンテの言い回しも30箇所くらい修正してくれる
□9話
・初めて上田さんに褒められた回
・準レギュラーなのに相島のセリフが少なすぎると言われていたのでなるべく増やした
・上田さんは落ちてくる小津を受け止める「私」を最後に持ってきたかったが、監督は主人公が飛んでいくのをやりたかった
□10話
・アバンが上手い
・この辺りで四畳半の部屋を引き払ったので今までの写真を無理やり使っている部分もある
□11話
・放送開始時間がいつもより15分遅いのでOPとEDをひっくり返したらチャンネルを変えられる可能性もあるが、最後は監督の案で決まった
・視聴者に教える意味を込めて執拗に「この後本編始まります」のような文章を入れた
・通行人の衣装がパカパカ変わるのはパラレルワールドを表現している
・妊婦の絵が多いのは原画の濱田さんの奥さんが妊娠していたから、四畳半の部屋の外に出てからはほとんど濱田さん
・監督「どうしても裸にしたかった、ノイタミナだからできた」
・赤石さんかと思いきや小津との友情物語
・「私」の顔が小津になるのは立場の逆転を表してる、あのセリフは主人公の顔では言えないしOP・EDの逆転とも繋がるので(原画は西垣さん)
第2部
Q,湯浅さんの最近のお仕事は?
しんちゃん(SHIN-MEN)の本編をやってる、映画の話はなかなか来ない
話題になってたけどしんちゃんのOPはやってない(OPは末吉裕一郎さん)、たまたまOPを見かけてこの量を描くのは大変だなぁとか思いながら10回くらい連続で観てしまった
地上波の子供番組をやっていて思うことは意外と制約が多い、ノイタミナ様様
キャラクターデザインの伊東伸高さん、演出の横山彰利さん、三原三千夫さん、ウニョンさん登場
・三原さんが担当した7話は気持ち悪いとかマイナスの反響が多かった、人形への愛を抵抗感なく描いてしまったことが原因かも
地上波なのでおとなしめにしたけど夏目さんみたいにハメを外せばよかった、DVD特典の方では自分の色が出せていると思うので見てほしい
・三原さんはAKBになりたい
・夏目さんはゲームで色を塗る仕事をしていたので色を決める時でも指示が早い
・湯浅監督は各話ごとの担当に任せてくれる部分が大きいのでキャラクターについての解釈がスタッフ毎に違っていて面白い
三原さんの解釈だと「私」はリア充ではなくパッとしない人、赤石さんはツンデレっぽい人
・カイバとは違ってスタッフ間の衝突も多かった
・ウニョンさんはスマートな人、コンテでも余計なことをしないしスマート
・伊東さんは監督の意図を汲んでガンガン直してくれる
伊東:「監督のチェックやコンテが遅かったので大変だった、ケモノヅメやカイバと比べてもかなりキツかった、相変わらずスタッフが少ないのが原因だと思う、前の2作品は反響が皆無だったので地上波のメジャー枠はかなり意識した」
・横山さんは感覚でコンテを描いている人が多い中、理詰めコンテを描く人、エモーショナルな話が上手い
・監督がカット袋を棚にドンッと入れる音の大きさで監督の疲れ具合がわかる
・松本憲生さんが想像で描いた部活の部屋が写真と似すぎていたためクレームが入った、松本さんは霊視ができるとしか思えない
Q、7話で信号待ちをしている「私」がコーヒーを吹出す素晴らしい演出について詳しく解説してください
三原:本来なら吹き出した飛沫が逆光で白く色トレスされるが、あえてコーヒーの濃い色にしてもらったら吐血してるんじゃないかと言われた
Q、坂本真綾問題について
三原:美人らしいという話を聞いたのと、牧原さんがアフレコで坂本さんの後ろ姿しか見れなかったと言っていたので
甲斐田さんは羽貫さんそのもの、でも監督は甲斐田さんの眉毛がキッチリしている所に食いついていた
夏目真悟さん、濱田高行さん登場
・夏目さんはエロい人、濱田さんは原画の経験が浅いのにベテランのような原画を描く人
(濱田さんはサマーウォーズで大家族の食事シーンを担当して宇多丸の映画批評で褒められていた)
・夏目さんは細田守のポジションを目指している
Q、思い入れがあるシーンは?
濱田:最終回で私が部屋から路地に落ちる所は背動なのに画面で見たら暗かったのでもうちょっと明るくして欲しかった
夏目:6話で鍵を入れる入れないのシーンはシナリオになかったけど思いついちゃったので入れてみた
羽貫さんの股の間で京都タワーが暴れまくるというのをやりたかったけどさすがにNGだった
色彩設計:辻田邦夫さん、美術監督:上原伸一さん登場
・キャシャーンに参加したウニョンさんが辻田さんは良い色を置いてくれる言っていたので四畳半をお願いしした
・上原さんはデジタル描きも初めてでリアル系なのでシンプルな絵も描けないと断ろうと思っていた
・夏目さんのピンクに対するこだわりはすごい(色の方)
会場にいらした撮影の町田さんが飛び入りで参加
・撮影はデジタルなのでソフトの力が大きい、その中でいかに個性や演出が求めているものが作れるかが重要
最後に一言
監督:能力の高いスタッフが参加してくれるので次回作があれば興味をもっていただけると嬉しいです
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>羽貫さんの股の間で京都タワーが暴れまくるというのをやりたかったけどさすがにNGだった
エロすぎワロタ
| No Name | 2011/01/14 06:18 | URL |