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The Dreams of Satoshi Kon: 第四章 - Warmth(温もり)



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"あんなに上手く偶然や必然が隙間なくはまった様が現実にあるとは信じられないくらいだ。「東京ゴッドファーザーズ」じゃあるまいし。"(今敏最後のメッセージより抜粋)

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日本のクリスマスはとても変わった現象で,外国人の私が東京を訪れた時に見たクリスマスは幾分異なって見えました
滞在は11月のラスト2週間だけでしたがストリートは明かりやデコレーションで溢れていて,特に新宿や渋谷にある商店のウィンドウディスプレイはどれも手が込んでおりその装飾を自慢しあっているように感じました

しかし日本のキリスト教徒は200万人未満,マーケティングの機会としては小さいように思えます
クリスマスの日も祭日ではありませんしほとんどの国民はプレゼントを交換したりケーキを食べる日と認識しているでしょう
つまり欧米のような宗教上の期間ではありません,クリスマスのすぐ後には大晦日というメインの祝賀をする日も控えています

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今敏監督の「東京ゴッドファーザーズ」が注目に値するのは欧米のファンや批評家からもクリスマスの映画だと認識されている点です
陽気な作品ではありますがとてもチャレンジングで誰にでもお勧めできる大人向けアニメ映画です
長年,私はクリスマスプレゼントとしてこの作品を友人達にプレゼントしてきましたがほとんどポジティブな反応しか返ってきません
時々この映画がハリウッドならヒットするだろうなぁと感じて仕方ありません,場所をブルックリンに移し実写映画として撮影したならオスカーが転がり込んでいたでしょう

今監督も明らかにしていますがこの作品はハリウッド映画,特にジョン・フォード監督の「三人の名付け親(原題:3 Godfathers)」をベースに作られています
物語は3人のホームレスがクリスマスイブに捨てられていた赤ちゃんを見つけるところから始まります
お酒好きのギン,オカマのハナ,家出娘のミユキは赤ちゃんを両親に返すため東京の街へと繰り出し偶然の一致とは思えない出来事へと巻き込まれていきます

一見,「東京ゴッドファーザーズ」はとても単純で理解しやすいなストーリーのように思えます
一部の批評家達も実験的な表現手段や前作のような現実を曲げたようなビジュアルの不足を指摘しています
これらの指摘はある程度正しくと言えるでしょう,この作品は「Perfect Blue」や「千年女優」よりはるかに紋切り型のストーリーテリングアプローチをとっています
しかしこれにより「東京ゴッドファーザーズ」を叩くのはアンフェアな試みです

この映画の魔法は第4のプレイヤーとも言える東京の街にあります
まるで写真のように細部まで描き込まれた街並みによりリアリティを歪曲する今監督のアプローチを見つけるのは難しいです
彼のトリックの手がかりとなるものが街の看板や道路標識がスタッフクレジットになっているオープニングシーケンスにあります
今監督は映画と通して東京の看板や標識にも注力し,ネオンなどで照らされたストリートを理解しやすいものにしているのです
監督の狙いは美とデザインの認識を超え,現実とわざと目につくようにする広告との相違の研究にあります

キャラクター達が家族について話すシーンでは型にはまらない家族がいかに暖かく印象的で,核家族には否定的で息苦しさを感じます
とはいえ監督は家族に対して否定的な意見はもっていません,むしろ逆でしょう
この映画はグループの一員であることがどれほど大切であるかを私達に思い出させてくれます
彼はメディアや広告によって"普通"という幻想の家族像が作られている事を疑っています

物語のクライマックス,電気による照明や色付けに極端なアイデアが見られます
それはとてもわずかな効果ですがシーンの緊張感を高め,切迫した印象を与えています
実際,多色の明かりが使われている今監督の東京は暖かく魅力的に表現され,都庁ビルが写った写真の家を探すシーンでは日光に照らされている昼間にも関わらず冬の寒さや無情を感じてしまいます
アニメファンには有名ですが都庁ビルは今監督がレイアウトを担当した「機動警察パトレイバー 2 the Movie」にも登場します
映画の中では印象的に描写され,雪に囲まれた不気味な構造物として描かれています

昼間のシーケンスを無情に感じてしまうのはいわゆる浮浪者を主人公にしているからであり,彼らの過去の後悔や恥を隠す影がなくなってしまうからであるかもしれません
我々が生活の中で考えもしないドロップアウトした人達も我々とはそんなに変わりもしませんし,負債や失恋といった潜在的には彼らと同じような位置にいると気付くでしょう
理解しやすく,陽気ではありますがやはり「東京ゴッドファーザーズ」は今監督の作品なのです
あいまいさと不明確さの扱いかけては天才的な才能を持つ今敏のユニークな一面が垣間見える映画でしょう

東京ゴッドファーザーズはamazonやRight Stufといった多くのオンラインショップで見つけることが出来ます,一見の価値ありです

by Tim Maughan

http://www.animenewsnetwork.com/feature/2010-09-09/2
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[Evelasさん(アラバマ州)]
今日初めて「東京ゴッドファーザーズ」を観たよ,今監督の映画では唯一観てなかった作品なんだよね

DVDにはメイキング映像があって監督のインタビューも観れるんだけど悲しかったなぁ
映像の中では生きているのに我々は「夢みる機械」の事を知ってるんだもん


[dtm42さん(ニュージーランド)]
クリスマスがテーマの作品って正直好きじゃないけど「東京ゴッドファーザーズ」だけは例外だわ
スタイルやコンセプトが前に出てなくても私にとっては決して悪いことじゃない

ナイスなテーマとはっきりしたメッセージを我々に届てくれたし,キャラクターにも共感できたよ
シリアスとドラマのバランスも良くて安っぽさを感じることもなく,さらにユーモアを上手く織り交ぜてあったね
アニメファン以外にも堂々と見せられる作品だと思う


[trunkschan90さん]
そういえば日本のポップカルチャーの課題としてこの映画を観たのを思い出した


[vashfanaticさん(アメリカ)]
今監督も"意味のある偶然の一致"について言及してるよね,私が最初に聞いたカール・ユングのフレーズだわ
プロジェクトの成功には少なくとも1つは偶然の一致が必要だとも言っている


[Spastic Minnowさん(ミルウォーキー)]
私もハリウッドで実写化するならどんな作品になるか考えたことがあるよ

ギンはビリー・ボブ・ソーントン,ハナは対立軸だからたぶん黒人俳優のテレンス・ハワード
ミユキは女優の年齢によって変わっちゃうから,エレン・ペイジやケイシャ・キャッスル=ヒューズは歳をとり過ぎだし
そうだなぁダコタ・ファニングがいいかも

早い話がどこの国でもリメイクできる作品であり誰が観ても心温まる作品である
そのオリジナルのベストとなるのが今監督の作品といえる


[Alien1375さん(オランダ)]
主役の3人中2人にはどうしても感情移入できなかった
1,オカマを侮辱するようなステレオタイプのキャラクター
2,精神病の女子高生,ネコが逃げたくらいで父親を刺すなんてありえないし普通同情出来ないでしょ

1300万人が住む大都市でご都合主義の"偶然の一致"が続くのもちょっと入り込めない理由でもあったり
でもアニメーションの質の高さや俳句は好きだけどね

    [gartholamundiさん(フロリダ州)]
    記事を見つけてきた(「The Illusionist」 by Andrew Osmond,60ページより抜粋)

    "ギンを若者達が面白半分に暴行するシーンは同時代に存在した事件が基になっています
    回想シーンで女子高生のミユキが父親を刺してしまうのも根底にはキレやすい若者という社会問題があり若者による犯罪も増加し    ています
    典型的な事件では2002年のJapan Timesが報じた「TVチャンネルを巡り口論,15歳の少女が父親を刺す」といったものです"

    Japan Timesの記事はこちら:
    http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/nn20021222a8.html

    似たような事件だと2008年に勉強の事で15歳の少女が父親を刺殺した事件も起きてる
    http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/nn20080720a2.html

    Japan Timesの過去記事を検索すれば似たような事件をたくさん見つけられると思う
    「ティーンエイジャー」とか「殺傷」とかを検索ワードに入力すれば沢山ヒットするし

    でもストレスの溜まった日本の女子高生が猫のために父親を刺すなんてとても信じられないけどね
    脚本家が現実を誇張したり歪めたりしているわけでも無いって事かな


[Greboruriさん(オーストラリア)]

ジョン・フォードの「三人の名付け親」をリメイクするにしても東京を舞台に三人のホームレスが主人公ってどうなんだろう,しかも一人はドラァグクイーンだし
マッドハウスもすごい決断したね,そもそも日本でホームレスを扱った映画ってどれくらいあるの?
ファンタスティックな映画であることは変わりないけどよくゴーサインが出たとは思う


[alpha_beta_angelさん]
ウチの旦那は今敏監督の訃報を聞いて即座に仕事を切り上げてDVDを観ていたよ

オーストラリアじゃなかなかDVDも見つからなくて苦労もしたけどエンドロールのダンシング東京タワーは何度観ても面白いね
夫と一緒に楽しめる数少ない作品だから私も大好き,観終わった後は本当に楽しい気分にさせてくれるから


(http://www.animenewsnetwork.com/)
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| 海外掲示板 | 02:48 | comments:7 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

凝った展開とか分からないから、この分かりやすさもあって一番好きだった
ついでに江守の演技が上手くて俳優の起用も上手ければアリだなと思った作品

| No Name | 2010/10/06 07:42 | URL |

看板に注目したことなかったなあ

| No Name | 2010/10/06 09:20 | URL |

いい娯楽映画だよ。普通で

| mani | 2010/10/06 19:35 | URL | ≫ EDIT

アニメの各種演出技法を
「妄想と現実の区別をつかなくさせる」ようなタイプの逃げではなく
地に足を着けつつ、実写ではやれない表現手段に昇華させた作品だと思う

次作パプリカでも夢を扱いながらも、夢と現実は区別され
夢の中でやれる事・起きる事を一定の枠を持って見せつつ
アニメでしか出来ないような映像を見せてくれたし、
アニクリのオハヨウも、目覚めの朦朧とした感覚を
アニメならではの演出で体感させてくれた

その先を見せてもらいたかった・・・

| 名無しさん@ニュース2ちゃん | 2010/10/07 00:16 | URL |

オランダ人は2丁目くるがいい
ああいう誇張気味だけど人一倍懐の大きなオカマちゃんが山ほどいる。あの人たち寺の住職より信用できるぜ

| No Name | 2010/10/07 13:53 | URL |

米1
そりゃあ、江守徹はそもそも声の仕事たくさんやってる人なんだからあたりまえじゃないかな
ベテラン声優と言っても過言ではないかと

| No Name | 2010/10/08 04:13 | URL |

今監督の作品はアニメっていうよりは、
吹き替えに近い感じで声いれた方が合うから
俳優やってる人の方がいいかもしれん
吹き替え聞いてたら、声優が本職の人より俳優の方がサマになってるように感じるし

| moku | 2010/10/12 07:50 | URL |















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